鷹もえなんです。

驕るなよ、若造
その言葉は声として聞こえたわけではなかった。
もしも声があったなら、それは岩山を吹き抜ける風のように掠れ、時間の重みを感じさせるものだったのだろう。
己は右の翼を僅かに膨らませ、年老いた同族の言葉に不快を感じたことを示した。


何を驕れと言うのだ。二本腕の友人は確かに時折、揶揄うように己のことを翼の王と呼称するが
それが真実でないことなど己は過ぎる程に知っている。
己はただ、飛ぶだけだ。
翼を持って生まれた。肉を喰うように生まれた。
この爪と嘴が鋭いのは生きる為であり、王で在る為ではない。


そも、王とは何だ。
己は何を統べてもいない。何を統べたいとも思わぬ。
誇らしげな色を滲ませて己を翼の王と呼ぶ友人を、その心を愛すべきとは思うが
結局のところ…そう、結局のところそれは、羽なしの言葉に過ぎぬ。


怒るところが、まだ青い。


年寄りは、喉の奥を奇妙に鳴らした。
どうやら笑ったようだ、と気づくまで、少しばかりの時間を要した。




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何がかきたかったんだかよく分からない文章に(だめぽ
つまり鷹もえなんです。
うちの王様は王様でも年の功には勝てないような青さがあるといい。