日曜一日休んだところで平日の疲れは取れないことを実感。
以下、実感しつつなんとなく思いついた九龍ネタ(諸事情により見辛い色にしてあります。反転してどうぞ)



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「美点を持たない人間が存在しないのと同様、
 欠点を持たない人間もまた存在し得ない。
 人は不完全であるからこそ他者を求め、補い合って生きるのだ」
「…現実逃避は潔くないよ、ルイせんせ」




淡い黄金色の花茶を惜しげもなく一息で飲み干して、
玩具のような大きさの茶器をテーブルに置いた。
面白いものを見る葉佩の目線は大き目の皿に盛られた物体に、つまりは
卵と牛乳と小麦粉と砂糖とベーキングパウダーを練り上げて焦がした「それ」に注がれている。




「…現実逃避などしていない」
「認めたくないのはワカリマスけどねー」




パウンドケーキになるはずだった(らしい)その無残な物体を
行儀悪く指でひとかけつまんで口に放り込み、あー、ともうー、ともつかない
呻きを上げて頭を抱えた。
そもそも中国茶に併せて出すのにパウンドケーキ、と、実は葉佩はその時点で
首を傾げてしまうのだが、まあそれ自体は個人の好みだろう。
和菓子を茶請けにコーヒーを飲もうが、抹茶に並んだ懐紙の上にショートケーキが載っていようが、
それ自体は別に気にするようなことではない…それ自体、は。


そう、問題は、




「…せんせ、」
「何だね」




「…台所と食材、貸してもらっていい?」





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うちの葉佩は生活SSです。寿司も握るし天香定食も作ります。
そのかわり歴史が未だC9です。碑文が読めなさすぎて行き詰っています(仕掛けが解けない)
あールイせんせいを婿に貰いたい。