オマケのRO小ネタ



「あのこは厳しいんです。特に、自分自身に対して」


穏やかな声は、少し苦笑しているようだった。


「そして、とても頭がいいんです」


だからおれは、出来る限り馬鹿でいるんです、と。
続けた言葉の意味がよく分からなくて見上げると、やっぱり想像通りに苦笑する灰緑の目と目が合った。


そんなのはおれの驕りかもしれないのだけれど、と、そのひとは続ける。


「おれがあのこにあげられる子供らしい権利のうちであのこが行使しそうなのは、子供っぽく怒る権利と、仕方ない大人に困らされる権利だけだろうから」


欲しいものをねだることだとか、
悲しいときに涙を受け止めてもらうことだとか、
あのこはきっと、意地でも望まないだろうから。


「…さみしくないの」


このひとがあのこを好きなことぐらい、誰だってわかる。
あのこがこのひとを好きなことだってそうだ。
このひと自身でさえ、きっと知ってる。


それなのにそんなのは、あんまり寂しいと思った。


「あのこが、ちゃんと幸せそうに笑えることは知っていますから」




「あのこは、幸せだね」




幸せそうに笑ったのは、このひとだった。
見上げた顔の向こうの、夏の空が眩しかった。





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親馬鹿で馬鹿親。(タイトル)
十も年下の(しかも他所様の)子供相手に本気で惚気る最悪な保護者。(サブタイトル)


あっ予告編に拍手くれたプリ4(レッド)の中の人ありがとうございます!本編は永遠にお待ちください(お察しください!)